こんにちは。
横浜店のオフロード担当 タカミです。
先日、全日本モトクロス最終戦のレース観戦に行ってきました。
実は私、全日本モトクロスの観戦は初めてなんです。 なぜなら、モトクロスに本格的に興味を持ったのは、この職場に入ってから。 仕事及び趣味として深く関わるようになると共に、全日本観戦への欲求も出るのですが、 店舗販売型サービス業の宿命で、レースが開催される週末はお仕事。
そんなわけで、いつもは観戦をあきらめていたのですが、 今回はどうしても行きたくなり、店長に直訴。 私同様にモトクロスを趣味とする店長も、 今回の事情は理解してくれまして、許可を出していただきました。
なぜ、今回私が行きたくなったかというと、 海外からやってくるゲストライダーの陣容が特別だったからです。
ほぼ毎年この最終戦にはゲストライダーが来てくれるのですが、 人数は1~3人で、ヨーロッパで開催されているWGPの上位ライダーが中心でした。 ところが今年はWGPだけでなく、アメリカで開催されているAMAと合わせて5人が来日。 しかも、そのうちの4人が今年のシリーズチャンピオン! 残る一人もチャンピオン経験者で、表彰台のトップに立てるほぼ同等クラス。 あまりにも豪華すぎます。
そして、その5人のゲストライダーはホンダから2人、ヤマハから3人。 つまり「ホンダ対ヤマハ」そして、「WGP対AMA」という対決が勃発。 チャンピオンのプライドにかけて本気で走るのは間違いありません。 世界最高峰の勝負を、日本で見ることができるのです。 モトクロスファンとして、またモトクロスの魅力をお客様に伝えるためにも、 この機会を見逃すわけにはいきませんでした。
さて、めでたくレースが開催される「スポーツランドSUGO 」に到着です。 今回の海外ライダーの話題がモトクロスファンの間では話題になっており、 当店にいらっしゃるお客様もかなりの方が観戦を予定されていました。 私は決勝開催日の早朝に到着したのですが、既に込み合っています。

さて、海外ライダーを迎え撃つ全日本の状況はというと、 最高峰のIA1(国際A級450CC)クラスとレディースクラスは、 この最終戦までチャンピオン争いがもつれており、 海外ライダーの参加に関わらず、レース結果が気になるところ。 また、IA2(国際A級250cc)もチャンピオンが確定しているとはいえ、 2位以下の結果は未確定。 更に今年圧倒的な内容で勝利し、海外意識の高い国内チャンピオンが、 海外ライダーにどれだけ通用するのかも見どころでした。
私が到着した時には既に練習走行が始まっていましたので、早速チェック。 国内ライダーは何度も走ったことがあるコースの為、 コースコンディションやマシンのチェック程度の走りです。 しかし海外ライダーは(前日に練習はしていますが)ほぼ初めて走るコースなので、 比較的本気度の高い走りで練習。コーナリングスピードが尋常ではありません。 他の観客達からも感嘆の声が次々と上がります。 これは本番でも期待が持てます。
本戦が始まるまでの間に、各チームのパドックや出店ブースをチェック。 HONDAとYAMAHAのパドックには、やはり海外ライダー目当ての観客が多数詰めかけています。 これは後から調べたのですが、今回の観客数は前回のSUGOで行われた全日本に比べ、 観客数が倍増!海外ライダーの効果が非常に高かったことがわかります。
そして本戦がスタート! 20台以上のA級ライダーが一斉にスタートする光景は迫力があります。

また、スタート直後の混戦時はジャンプでもライダー同士の距離が近いので、スリル満点。

素人ライダーレベルの私からすれば、国際A級ライダーは遥か雲の上にいる方々。 ジャンプの飛距離やコーナリングスピードはもちろん、 各セクションの攻略方法も見応え十分。 映像で見るのとは、迫力が違いますね。
レースの方は、やはり海外勢が速い! 国内ライダーと最も差を感じるのは、やはりコーナリング。 特にタイトターンでの脱出速度が格段に違います。 何故この差が生まれるのでしょうか?
素人なりに少しだけ考察。 IA2クラスヒート2の最終コーナーで観戦してみました。 コースの状態はこんな具合。

ご覧のとおり深いワダチが無数に掘られています。 いくつものラインが交錯しており、ワダチにタイヤを乗せるのはかなり難しいです。 実際、このレースの前に行われたレディースクラスの決勝では、 ワダチにタイヤを取られた転倒車が続出。 特に出口が荒れている、最イン側のエリアは全車が回避。
ところが、1ラップ目にトップで回ってきた海外ライダー2名。

いきなりイン側のエリアに突撃。 脱出時にホイールスピンさせながら豪快に通過。 2人でワダチを強引に作成してしまいました。 続く日本人ライダー達もそのワダチに乗っていきます。

モトクロスではスタート前に1周のサイティングラップ(下見走行)が行われ、 コース状況を把握していたハズなので、 ここまでは国内ライダーとの差はそこまで感じませんが、違いはその後から。
コーナー入口前のブレーキングポイントの路面はかなり荒れていますから、 コーナー進入時にバイクの挙動は乱れます。 その状況でタイトなインのワダチにバイクを正確に持っていくのは、体力をかなり使います。 レースでも周回を重ねるごとに、イン側のラインを通過するライダーが減っていきました。 入口だけイン側につけても、出口まで維持できずアウトに膨らむライダーも多数。 結果的にワダチも崩れていきます。 それでも海外ライダー達は、最終ラップまでインのラインを走り続けました。
車体の姿勢を制御できる肉体的な強さが、コーナリング時の安定感をもたらし、 安定しているからスピードを上げられるのではないでしょうか。 そして、レース終盤までそのスピードを維持できる体力もあるのでしょう。 私も、もっと鍛えなければダメですね。 レース観戦後、すぐにコースで走りたいという衝動が湧き上がってきました。
モトクロスのレースは様々なセクションがあり、 コースコンディションも刻一刻と変化していく、 大変見応えのあるイベントです。 まだ見たことが無い方は、是非一度ご覧になって下さい。